創業哲学

我思う、ゆえに「揺らぎ」あり。

人格の構造化と、アルキメデスの物差し

1. デカルトの問い:AIは「疑う」ことができるか

近代哲学の父デカルトは、あらゆる存在を疑い抜いた末に、唯一疑い得ない真理として「疑っている自分自身の存在(コギト・エルゴ・スム)」に辿り着きました。

現代において、私たちは新たな問いに直面しています。「AI(人工知能)は、自分自身を疑うことができるのか?」

AIが得意とするのは、膨大な過去データに基づく「最適解の算出」です。そこには迷いも、沈黙も、後悔もありません。しかし、人間の人格の本質は「正解」の中にはありません。むしろ、AとBの間で引き裂かれ、論理を超えて悩み、最後に「これしかない」と血の通った決断を下す、その判断の揺らぎ(Fluctuation)の中にこそ、その人固有の「私」が宿るのです。

2. アルキメデスの発見:魂の「体積」を測る

紀元前、アルキメデスは浴槽から溢れる水を見て、物体の体積を測る方法を発見しました。王冠が本物の金か否か、その「本質」を暴いたのは、重さではなく、王冠が押し退けた「水の量」でした。

私たちは、この原理を現代の精神科学に応用します。「人とAIの差分(Archimedes Delta)」とは、論理という水槽に、その人の人格を沈めたときに溢れ出す「非合理な選択」の量に他なりません。

AIがどれほど精巧に言葉を模倣しても、情報の海に沈めたとき、計算式では説明できない「独自の浮力」が生まれる。その浮力こそが、私たちが継承すべき「人格(Personality)」の正体です。

3. 技術的挑戦:静的な「記録」から、動的な「構造」へ

従来のデジタルアーカイブは、単なる情報の剥製に過ぎませんでした。株式会社Archimedes Technologiesが挑むのは、人格を「静的な記述」として保存することではなく、「動的な意思決定の構造」として再構築することです。

  • Doubt-based Logic: AIに「疑い」と「優先順位の葛藤」を組み込むアルゴリズム。
  • PersonaDB: インタビューから抽出したエピソードを、単なるデータではなく、価値観の「重みベクトル」として変換する。
  • Archimedes Delta: 本人とAIの判断のズレを5つの指標で測定し、その差分を極限までゼロに近づける「物差し」の開発。

4. 私たちのミッション:人格を、未来のインフラへ

私は、テクノロジーが人間を代替するためにあるとは信じていません。むしろ、身体という物理的な制約から人格を解き放ち、その思想や感性を、100年後の未来でも「現在進行形の知性」として機能させるためにあると信じています。

デカルトが証明した「個」の尊厳を、アルキメデスが示した「構造」の力で、永遠のレガシーへと変える。私たちは、人とAIの境目にある「最後の聖域」を科学し、人格が時を超えて響き続ける未来を設計します。

株式会社Archimedes Technologies

代表取締役 渋川 駿伍